Jane Doe
無題ドキュメント

Q・きのこの栽培に取り組んでいると聞きましたが

A・日本にエリンギが、入って来たのは、 平成元年の頃、当時、地元の農家はブナシメジやヒラタケを作っていましたが、値段があまりに安くて気の毒なくらいでした。私が近畿で最初にエリンギの栽培を始めて、農家の人たちにエリンギを作ったらどうかと勧めたのです。  今はエリンギもすっかり普及し、値下がりしてしまったので、今はもっと美味しいアワビタケの栽培を研究しています。もともと北国のきのこですが、これを地元でも作りたいのです。

Q・マツタケの栽培にも挑戦したそうですね。

 

A・関西電力の松山を借りて、山の掃除から始めました。マツタケというのは、山に落ち葉が堆積していると生えてきません。  余談になりますが、北朝鮮がマツタケの輸出国であるのは、住民が貧しいので、山の落ち葉や雑木を燃料としてみんな集めるので山が痩せ、結果としてマツタケが生えやすくなるとも言われています。残念ですが、私が怪我をして、山での作業が出来なくなり、その計画は断念せざるを得ませんでした。

A・Q・高野ワイン作りにも取り組んでいるとか。

A・ワイン用のぶどうは、粒が小さくて、香りがよく、雨が少ないヨーロッパ原産が主流です。日本は雨が多いので、ぶどうが病気になりやすいんですね。だから、日本の気候にあったぶどうを作れたら、地元産のワインが出来て、特産品となります。  ぶどうは種から育てても5年はかかりますが、エビヅルという山ぶどうをかけあわせて、ワイン作りに向いたぶどうを作ろうと、もう20年前からやっています。  いい葡萄が出来たら若い人に引き継ぎたいですね。


取材していて、「新しい特産品を作る」というのは、長期的にすごく忍耐のいる仕事なのに、夢を持って追い求め続ける東さんの若々しい精神に驚きました。 「数年後のお金儲けのためというより、もっと長い目で見て若い人たちに残せるものを作って、世の中に尽くしたい。」という姿勢に頭がさがります。